「はい、宅配ご苦労さまでした。ええっと、なになに。荷物の品名は……れ、レネゲイドビーイングー!Σ(´Д`ズガーン」
“気がつけば”、普通の高校生として静かに暮らしていた女学生。何時から水村ユイとして存在して、何時からオーヴァードで、何時からこうして居るのかは“思い出せない”が、その辺に違和感を抱きつつも平穏な日常を暮らしている。
現在はマンションで一人暮らし。海外で仕事をしている“お父さん”は各地を転々としているらしく、連絡が付いた事がない……と思いきや、最近唐突にゆうパックでパパンから古い何らかの写本の形をしたRBが送られて来た。えーなにそれなにそれ。
妙にレネゲイド関連の知識があるようだが、本人は何処でそれを得たのか覚えていない。
コードネームは、セフィロートのコクマ(知恵)を司り、神秘と秘密の知識を分け与える天使ラジエルより。
パッシブ:厨二をおそれない、厨二ではだれにも負けない強い心。
■トレイル〈クローンボディ〉関連
水村マサキが作ったラジエルと呼ばれる古代のレネゲイドビーイングの劣化コピー。この世全ての秘密を書き記した書物・セファーラジエルの不完全な写本。“気が付く”以前の記憶は、思い出せないのではなく、知識と初めから植え付けられた記憶以外は何もないだけである。
研究所の巨大な水槽に山ほどクローンボディがぷかぷか浮いている。そのうちの一つが意識を持って動き出すが、肉体の限界が来て崩れ落ちると次の肉体に活動が移行する。本人の活動時の記憶はすべてRB本に記録され、初期化クローン起動後はそこから仮想記憶をダウンロードしている。マサキはそろそろユイの記憶回路から僕っ子の項目を消すべき。
■《奇妙な隣人》関連
『死が、二人を別つまで?死んだら、二度と手は届かない?死ごときで、この円環は分かてはしない。
俺が居る限り、なァんにも悩むことなんざありゃしねェよ。
───終末の尾を何度でも飲みこんで、書物に永劫を刻もうじゃねェか』 グモルク・グリモワール
古めかしい空白の書物。実際はその魔術書(グリモワール)に棲み憑いている魔物が本体のレネゲイドビーイングである。
宿主の内なる秘められた知識を読み取って自動筆記するくらいしか今の所やってくれない。いつも書物の空欄ページに文字を映し出しお知らせしてくれるが、実は喋れる。喋るとテンションの高いヒャッハーな俺っ子。ユイからは、喋ると残念なRBと思われているが完璧にお互い様だと思っている。
水村マサキが送り付けてきた寄生虫。本の虫。活字狂いのビブリオマニア。本に棲み憑くという悪魔の特性は、『写本』の範疇である現在の宿主にも発揮されるため、精神の乗っ取りも可能である。字と智を喰らい吐き出すウロボロス。
主な目的は、劣化の仕方にも個体差があるクローンボディ群のバラついた知識を全て引っ張り出して総合し、完全な神秘の写本を作成、かつてのセファーラジエルを再現して、グリモワールのコレクションにすること。気は短いようで長い。宿主とは共存関係にある。
魔術書の頁を捲って、そこに書かれた悪魔や伝説を再現・召還して攻撃させる、ウロボロスらしいパクリ戦法を得意とする。神秘の領域を検索、該当データをダウンロード。魔法陣とか出る。基本的に召喚魔法っぽい。
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